ごあいさつ

私が仏壇店の店主である理由

ごあいさつ

最近、昔から顔なじみのお客様から「田中さん頼むからやめんといてな。」と言われます。私は決まって言い返すのです。「絶対にやめへんから安心しといて。」と。だって、仏壇店がなければ、私が幸せと感じる瞬間がなくなってしまいますから。私は田中佛檀店の三代目。二代目社長の父親の背中を見て育った私は物心ついた頃から、「いつかは親父の後を継ぐのだ」と勝手に思っていました。

私は亀山市で生まれ育ち、京都にある龍谷大学に進学しました。とはいっても、大学の頃も亀山が名残惜しく、夏休みに亀山に戻ってきては父親の手伝いをしておりました。

大学卒業後、京都にある仏具店で丁稚奉公。当時の経験が現在の田中佛檀店の核になっていると言っても過言ではありません。しかし、一つだけ丁稚奉公時代に行っていて、今行っていないことがあります。それは、『お悔みのあったご家庭に訪問し営業する』という仏壇店特有の営業手法です。大切な方に不幸のあった直後に、人の心情も考えずに営業をする。仏壇店としては当たり前のことであり、一番お仕事頂ける機会でもあります。しかし、私自身、「大切な人を亡くし悲しんでいる時に営業されたくない。」そう思うのです。当時は自分との葛藤でした。

田中佛檀店

そんなことを思いながら働いていた私は、亀山に戻ってきてからは一度もお悔みの訪問営業をしていません。他の仏壇店からすれば「仕事が頂ける絶好のチャンスなのにバカやな。」と揶揄されるかもしれません。ただ、私は思うのです。「お金儲けのために働くのであれば、別に仏壇店でなくてもいいじゃないか。仏壇店には仏壇店の使命がある」と。

そんな使命が明確になったのは、二十数年前、父が亡くなった時のことです。
まだ若い父の死に直面した私は「自分はこれから、なぜ仏壇店を営んでいくのだろうか?」と自問自答を何度も何度も繰り返しました。

そして、最終的に出てきた答えは、「私自身が幸せになるため。」でした。

『私自身の幸せ。』それは、売上を大きく上げることではありません。私自身が一番うれしく、幸せと感じる瞬間。それは仏壇が売れた瞬間ではなく、仏壇を買って頂いたお客様から「あんたのおかげでなんか心が安らいだわ」と声をかけられた瞬間です。

田中佛檀店

私は仏壇があることで、「家族が幸せになったり、心が安らげる」と信じております。仏壇へ手を合わせに家族や親族が集まることで会話が弾んだり、手を合わせて子供の健康を祈ることで心が安らいだり…皆さまもご経験があるのではないでしょうか?それこそが仏壇の本質的な力であり意味だと思うのです。そこに、高いも安いも関係ありません。

お店は大きくならなくてもいい。だけど、もっともっと亀山に『家族の幸せ、心にやすらぎ』の輪を広げていきたい。こんな夢を達成するために、これからもずっと亀山の地で田中佛檀店を営んでいきたいと思います。

三代目 店主 田中克彦

代表取締役 田中克幸
代表取締役 田中克幸
代表プロフィール
  • 代表取締役 田中克彦
  • 昭和37年1月13日生
  • 亀山東小学校、亀山中学校、亀山高等学校
  • 京都 龍谷大学経営学部経営学科卒業
  • 京都 宝来屋仏具製作所にて3年の修行の後、
    田中佛檀店に入社。
  • 平成12年に社長に就任、現在に至る。